ステンレス アジ切り包丁

小さめの魚を捌く時に便利な、薄く、軽いミニ包丁です。
アジ切り包丁という名前ですが、もちろんアジ専用というわけではなく、小さめのアジやサバ、キスなどの骨切りや、エラ切りなど小型魚を捌く時に活躍します。


形状は舟行包丁型。
舟行包丁は漁師が漁に出るとき舟に持って行き、舟の上で使う事が多かったそうで、肉、魚、野菜、何を切るにも便利な万能包丁です。


表面の仕上げは、全体を磨き上げた「磨き」仕上げ。
この磨き仕上げとは包丁の仕上げ方法のことで、製造過程で黒くなった刀身表面の黒い部分を、全て磨いたものを「磨き」といいます。
手造りの「味」がありながらも、上品で洗練された雰囲気が感じられる仕上がりです。

この包丁は、大量に捌いたり水を流しながら捌くなどのシーンを考え、通常鉄を使用する部分にステンレスを使用していますので、非常にサビに強く仕上がっています。


ステンレス製の包丁は「切れ味がちょっと・・・」という話をよく聞きますが、ご安心下さい！


当店のステンレス包丁は、オールステンレスではなく「側材のみステンレス」で、食材を切る刃の部分には鋼を使用していますので、その切れ味はバツグン。
まさに「いいとこ取り」の包丁なんです。


刃に鋼を使用しているため使った後のお手入れは必要ですが、刃の部分以外は錆びにくいステンレスですので、洗った後は乾いたふきんでしっかり拭いてあげるだけで大丈夫です。

サイズはミニですが、伝統の自由鍛造で鍛造した本格派ですので、その切れ味はバツグンです。


刃の鋼は、安来鋼（やすきはがね）の「白鋼二号」を使用。
炭素が多く含まれているので鋭い切れ味が得られるのと、研ぎやすさとを兼ね備えた鋼です。


刃は「両刃」ですので、左利きの方もそのままお使いいただけます。
両刃包丁は切るものに対して刃がまっすぐ入るので、初級者から上級者まで扱いやすい包丁です。
また、柄には鍛冶職人が「堅くておすすめ」というクルミの木（ウォルナット）を使用。
化粧箱にも入っていますので、プレゼントにもピッタリです。


刃渡りは約10.5センチ。
成人女性の手のひらにスッポリ収まるサイズです。


小型魚を捌くのに「こんなのほしかった！」と思えるジャストサイズ。
サビに強くお手入れ簡単、使い勝手のよいミニ包丁です。

土佐打刃物の郷である高知県香美市土佐山田町。
その土佐山田町から東へ車で約20分。のどかな田園風景が広がる香美市香北町に工房を構えるのが、梶原刃物製作所です。
梶原の「かじ」をとって、「土佐かじ屋」の名称でさまざまな包丁を制作しています。

鍛冶職人の梶原 務さんは昭和44年までの修行を経て跡を継ぎ、三代目となった鍛冶職人。
専門は包丁で、昔ながらの火造り鍛造で頑固な製品づくりを心がけている熟練の包丁鍛冶です。

「手造りだからこそ、一作業一作業が勝負」と語る鍛冶職人、梶原さん。

工房では、加熱し成形していく鍛造作業から仕上げの刃付け作業まで、一貫して職人が一本一本行っています。
大きなハンマーで鋼材を叩きながら成形していく様子は、まさに匠の技。
高温で熱せられ真っ赤になった鋼材が、火花を散らしながら形を変えていく様は美しくすらあります。

プレスで抜く工業品の刃物とは違い、火造り鍛造で造られた刃物は、刃の背の部分（ミネ）が柄に近いほど厚く、刃先に行くほど薄くなるのが特徴です。
また鍛造で鍛えた刃物は、ハンマーで打つことによってより強靱さを増していきます。

お料理作りの良きパートナーとして長く使うことを考えると、「鍛造した鋼の持つ鋭い切れ味」という魅力は大きいと思います。
熟練の鍛冶職人が鍛えたこの包丁、長くご愛用いただけることを願っています。